会長挨拶

ホームページ開設にあたり

石橋啓十郎( 犀水 )
-初代会長-
竹内 忠雄( 臨川 )
-第二,四代会長-
三浦 康廣( 思雲 )
-第三代会長-
相沢庄一郎( 木城 )
-第五代会長-
中村 勝( 城翠 )
-第六代会長-
長谷川正行( 白楊 )
-第七代会長-
丹羽信男(芝水)
-第八代会長-

ホームページの開設にあたり、新潟県書道教育研究会を代表し、本会の歴史、目的、事業などを中心に現状をご紹介申しあげます。

本会は昭和52(1977)年4月、県下の書写書道教育の振興とそれに関わる研究を主たる目的として設立された研究団体です。現在、その目的達成のための一事業として実施している「新潟県競書大会」・「新潟県書き初め大会」を中心として書写・書道振興に鋭意努力いたしております。

その源は昭和26(1951)年、当時の新潟大学教育学部書道科の石橋犀水教授、竹内臨川助教授によって創始された新潟大学書道教育研究会による「新大学徒競書大会」「北信越学徒競書大会」(隣接県にその募集範囲が拡大されたことによっての名称変更)にあります。最盛期には競書大会・書き初め大会の両大会合わせて年間20万点近くの出品があり、県下小、中、高校の書教育の一端を担うと同時に全国的に見ても大きな児童・生徒の書道の大会として書写・書道教育の実績をあげておりました。児童・生徒の書写・書道のレベル向上や現場における書教育の発展に大きく貢献したこの大会も新潟大学内においてはその運営が諸般の事情により不可能となり、三浦思雲教授時代の昭和51(1976)年をもって幕を降ろすこととなりました。しかし、この突然の事態に大学の内部や県下小、中、高校の先生方は、将来学校現場における書教育及び児童生徒の書写能力の低下を危惧されました。その方々にも増してこの会を石橋犀水先生とともに育ててこられた新大名誉教授の竹内臨川先生は、特に強い危機感を抱かれ、競書大会・書き初め大会25年に及ぶ伝統の灯を消すことなく、会を継続するために同志と相い図って結成されたのが本会です。設立当初の役員には会長の竹内臨川先生、副会長の三浦思雲先生をはじめ新潟大学書道科の教官すべてが就任しておりました。

このように新潟県書道教育研究会は昭和26(1951)年以来の新潟大学の競書大会、書き初め大会などその歴史や経緯、応募点数、内容とも新潟大学の競書大会・書き初め大会を健全に引き継いで現在に至っております。また世間でも、今もって大学の競書大会、大学の書き初め大会と言う人がいるのも事実です。また昭和62(1987)年の新潟日報社刊「新潟県美術家名鑑」P.345に「・・・また大学主催で昭和26年(1951)以来開催されている北信越学徒競書大会は小・中学校における習字教育の発展を促し、その規模は全国一を誇るほどになった。現在は新潟県書道教育研究会主催となっているが、この発案・実行は石橋犀水の努力の大きさに負うところが多い・・・」(新潟県美術博物館学芸課主任本井晴信氏記)とあり、この記述によっても真に新潟大学の伝統を受け継ぎ運営されており、さらに平成13(2001)年2月には、県下の小学校の先生方が組織する新潟県学童書写教育研究会主催により31年間続いた「県学童硬筆コンクール」を引き継ぐ形で第1回の「新潟県硬筆書き初め大会」を開催し41000余点の 出品をいただきました。ちなみにここ2~3年は秋の競書大会には2万点前後の、正月の書き初め大会には4万点余の作品が出品されています。

さて21世紀を迎えた今日、学校教育現場も週五日制となり、書写書道を学ぶ児童・生徒 それに関係する指導者にとりましてはまさに冬の時代となり、本会も前途多難の時を迎えています。しかし伝統ある本会の諸事業を継続発展させることにより、書写書道を現状からたとえ一歩たりとも後退させることなく、むしろ大きく発展させるべく役員一同更なる努力を続ける所存です。何とぞ今まで以上のご理解とご協力ご指導をたまわりますようお願い申しあげごあいさつといたします。

2002年7月 新潟県書道教育研究会
会長(第六代) 中村 勝(城翠)